【10月14日 AFP】学生43人が犯罪組織とつながりのある警察に襲撃され行方不明となる事件が起きたメキシコ南部ゲレロ(Guerrero)州で13日、事件に抗議するデモ隊が暴徒化し、州政府庁舎の一部に放火した。

 デモがあったのは州都チルパンシンゴ(Chilpancingo)で、学生や教師などからなる数百人のデモ隊が政府庁舎を襲撃。職員らを退去させた後、窓を割り、建物に放火した。

 デモ隊は現場から立ち去る際、アンヘル・アギーレ(Angel Aguirre)州知事の辞任を要求した。現場にはその後、州警察が急行し、消防隊が消火活動を開始した。

 これに先立ち、州議会議事堂でも、石や棒を手にしたデモ隊が門の前で機動隊と衝突。機動隊は500人ほどのデモ隊を押し返し、議会への侵入を阻止した。AFP特派員によると、この衝突で教師5人と警官2人が負傷した。

 ゲレロ州のイグアラ(Iguala)では9月26日、学生たちが乗ったバスが麻薬密売組織「ゲレロス・ウニドス(Guerreros Unidos)」とつながりのある市警察の銃撃を受けた後、43人が消息を絶っている。

 捜査当局は市郊外で地中に埋められた多数の遺体を発見し、現在、身元確認を行っている。また検察当局が、この事件に関してゲレロス・ウニドスと共謀した容疑で市警察官26人を取り調べている。(c)AFP