【10月8日 AFP】フィリピンの警察当局は7日、銀行の現金自動預払機(ATM)から現金を盗み出していた男らが、その「道具」としてネバネバとした樹液を用いていたことを明らかにした。

 首都マニラ(Manila)郊外を管轄する警察のエドウィン・マラバナン(Edwin Malabanan)氏によると、男らの手口は、粘度の高いジャックフルーツの樹液が塗られた金属棒をATMのカード差し込み口に押し込み、現金の引き出しを難しくするというものだった。

 金属棒が差し込まれたATMからは現金を引き出そうとしても、お札が中の棒にくっついて出てこないため、利用客が諦めてその場を立ち去った後に、男らは金属棒ごと現金が取り出していた。

 AFPの取材に対し、マラバナン氏は「この樹液は本当にべたべたする。これを思いつくとは知恵者だ」と語った。

 複数の銀行から顧客が損失を被ったとの苦情が寄せられ、警察は捜査を開始した。銀行のATMに設置した有線カメラで撮影した映像を頼りに、先週、実行犯2人のうち1人が逮捕された。

 警察は、窃盗目的で電子機器の改造を行ったとして送検を試みたが、電子機器改造の事実が無かったことからこれを断念。より一般的な「窃盗」に切り替えられた。電子機器改造法の下では最高20年の禁錮刑が科されるのに対し、窃盗では最高6年となる。(c)AFP