【10月7日 AFP】イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織イスラム国(Islamic StateIS)に参加するためにシリアへの渡航を計画した疑いのあるイスラム教徒の日本人大学生(26)が、警察から事情聴取を受けていることが分かった。

 この人物は北海道大学(Hokkaido University)の学生で、イスラム国に参加するために今週中東へ渡航する計画を立てていたと報じられている。毎日新聞(Mainichi Shimbun)などによると、警察に対し「シリアに渡航し、イスラム国に加わり戦闘員として働くつもりだった」と話しているという。

 大学生は東京都内の古書店に掲示されていた張り紙を見て、渡航を計画した。NHKが放映した張り紙には、シリアでの求人に興味がある人は店番に知らせるようにと書かれていた。

 欧州や北米では、若者を中心とした数百人が、戦闘員としてイスラム国に参加するために出国しているが、日本人による渡航計画は初めてとみられている。日本のイスラム人口は少なく大部分が最近移住した外国人で、国内で宗教的な過激思想が育った例はこれまでほとんどなかった。

 読売新聞(Yomiuri Shimbun)によると、捜査当局は求人の募集主の関係先を捜索しているが、身元は明らかにされていない。朝日新聞(Asahi Shimbun)によれば、古書店関係者は「イスラム法学が専門の元大学教授に、『イスラム国』に戦闘員として加わることを希望する数人を紹介した」と語っている。一方の元大学教授は「自分から『イスラム国』行きを勧めたりはしない」と話しているという。古書店と募集主との関係は、今のところ明らかになっていない。(c)AFP