【10月7日 AFP】イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)でGKを務めるダビド・デ・ヘア(David De Gea)は、入団直後の難しい時期に、オールド・トラフォード(Old Trafford)を離れたいと考えていたことを明かした。

 5日に行われたエバートン(Everton)戦で、2-1の勝利の立役者となったデ・ヘアは、レイトン・ベインズ(Leighton Baines)のPKをセーブすると、その後も好セーブを連発した。

 23歳のデ・ヘアは、「マンチェスター・ユナイテッドでは、今までで最高のプレーだったと思う。すごくうれしかった」とし、「こういう試合が自分に自信をつけてくれる」と話した。

 それでも、ユナイテッドに移籍した3年前、デ・ヘアは、帰宅後に笑顔を見せる余裕すらなかったようだ。

 アトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)から夢の移籍を果たしたデ・ヘアだが、公式戦デビューとなったマンチェスター・シティ(Manchester City)とのFAコミュニティーシールド(FA Community Shield 2011)で2点を失い、結果的にユナイテッドが1点差で勝利を収めたものの、責任を問われた。また、ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン(West Bromwich AlbionWBA)戦などでも、ミスセーブを批判された。

 デ・ヘアは、プレミアリーグで求められる期待に応えようと奮闘し、家族を置いて他国で生活することに苦戦していた。

 振り返ってみれば、トップチーム昇格からわずか2年でユナイテッドのGKになった若きデ・ヘアにとって、そのプレッシャーは重すぎたのかも知れない。

 ユナイテッド退団を考えたかという質問に対し、デ・ヘアは「時々ね」と答えた。

「当時のような批判を受けるのは、つらいものだ。でも、強い姿勢で、ポジティブにいようとしていた」

「最初の頃は、僕にとっても家族にとってもつらい時期だった。でも、マンチェスター・ユナイテッドのようなビッグクラブにいれば、失敗したときに批判されるのは当然だ」

 駆け出しの時代を懐かしく思うことはできないというデ・ヘアだが、つらい時期を乗り越えたことを誇りに思っており、自身を強くしたと同時に、今日のGKとしての自分を支えていると考えているようだ。

「駆け出しでつまずいたからこそ、選手として、そして人間として、今の自分があると思う」

「悪いことがあったら、成長しなくてはいけない。それに適応するため、強くならなければいけない。僕は強くなったと思う。そして今、より良い選手になった」

(c)AFP