【10月3日 AFP】南ドイツ新聞(Sueddeutsche Zeitung)電子版は2日、イスラム過激派を支援しているとして批判されているカタールを含むアラブ諸国数か国に対する武器の新たな輸出をドイツ政府が承認したと伝えた。

 報道によればカタールの他、アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア、アルジェリア、ヨルダン、オマーン、クウェートが輸出対象国として挙がっている。輸出される武器には戦車や機関銃などが含まれているという。今回の独政府の決定に対して野党などから批判が上がっている。

 ゲルト・ミュラー(Gerd Mueller)独経済協力開発相は8月、イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」に資金提供しているとしてカタールを名指しで非難していた。カタールは資金提供した事実はないと繰り返し反論し、米国が主導するイスラム国への空爆にも参加している。

 またジグマル・ガブリエル(Sigmar Gabriel)独副首相兼経済・エネルギー相が8月、人権を十分に尊重していない国への武器輸出規制は強化すべきであり、サウジアラビアへの武器輸出は終わらせるべきだと発言していたにもかかわらず今回の決定に至ったことで、野党はガブリエル副首相が武器輸出促進を訴えるロビー活動に屈したと批判している。

 ドイツでは法律で欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)に加盟していない国への武器輸出が禁じられているが、例外も認められており、2013年に政府が承認した武器輸出58億ユーロ(約8000億円)相当のうち62%をアルジェリア、カタール、サウジアラビアなどのNATO非加盟国が占めている。(c)AFP