【9月7日 AFP】テニス、全米オープン(The US Open Tennis Championships 2014)は6日、米ニューヨーク(New York)市のUSTA・ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンター(USTA Billie Jean King National Tennis Center)で男子シングルス準決勝が行われ、大会第14シードのマリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)は6-3、6-4、6-4で第2シードのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)を破り、錦織圭(Kei Nishikori)と対戦する決勝へ進出した。

 チリッチ勝利の驚くべきニュースは、錦織が6-4、1-6、7-6、6-3で世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)を下した数時間後に報じられ、メジャー大会の決勝にラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)、ジョコビッチ、フェデラーの姿がないのは、実に10年ぶりの出来事となった。

 四大大会(グランドスラム)通算17勝を誇るフェデラーは、2009年大会(The US Open Tennis Championships 2009)以来の決勝進出を見据えていた。しかし、グランドスラムでは2010年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2010)が唯一の4強入りだったチリッチに、ファイナリストの座を譲った。

 昨年大会(The US Open Tennis Championships 2013)はドーピング違反により欠場を余儀なくされたチリッチだが、この日の試合では、わずか1時間6分で最初の2セットを先取する好調ぶりをみせた。

 ガエル・モンフィス(Gael Monfils、フランス)との準々決勝では、ここから驚異の逆転劇をみせたフェデラーだが、今回はストレート負けを喫した。

「こんな風にプレーできるとは、想像したこともなかった」と話すチリッチは、「今日はキャリアでも最高のプレーができたと思う」と喜びを表現した。

 クロアチア出身の選手がグランドスラムの決勝に進出するのは、2001年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)を制したゴラン・イワニセビッチ(Goran Ivanisevic)氏以来となる。イワニセビッチ氏は、現在チリッチのコーチを務めている。

 フェデラー、ナダル、ジョコビッチの3選手が決勝進出を逃した最後のグランドスラムは、2005年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament)で、この大会ではレイトン・ヒューイット(Lleyton Hewitt、オーストラリア)を破ったマラト・サフィン(Marat Safin、ロシア)が優勝した。(c)AFP/Rebecca BRYAN