【8月15日 AFP】英国の格安航空会社フライビー(Flybe)の旅客機が今年2月、機長(46)がつけていた義手が着陸時に外れたため一時的にコントロールを失っていたことが、14日に発表された航空事故報告書で明らかになった。

 今年2月12日、乗客47人を乗せてバーミンガム(Birmingham)を出発した旅客機は、ベルファストシティー空港(Belfast City Airport)への着陸体勢に入った際、機長の義手が操縦桿(かん)の特殊な留め具から外れた。

 同社で航空業務と安全性を監督しているイアン・バストン(Ian Baston)氏は、「この報告書で言及されている上級機長は、当社で最も経験を積んだ信頼の置けるパイロットの一人だ」と述べた。「乗客や乗員の安全が危険にさられたことはなく、機体の損傷もなかった」

 英航空事故調査委員会(Air Accidents Investigation Branch)の報告によると機長は、着陸体勢に入る直前、義手がしっかりと留め具に固定されていることを確認していたという。自動操縦を解除して手動で着陸しようとしていた際に義手の留め具が緩んだため、右腕を使ってコントロールの回復に努めたという。

 報告書はさらに、「同パイロットは適切に対処したが、パワーがかかっており、突風の影響もあったとみられるため、正常にタッチダウンした後、機体が大きく揺れた。これらのことから同機は激しい着陸になった」としている。

 機長は、義手の取り付けを今後はより慎重に確認するとともに、今後起こりうる同様のケースについて同僚パイロットらに詳しく説明すると誓ったという。(c)AFP