■困難な戦時下の心のケア

 ザクト医師は、子どもたちにPTSD(心的外傷後ストレス障害)や鬱(うつ)の症状が見て取れると指摘する。だが、心のケアで大きな改善をみるのは難しい。

 ガザ地区では人口の4分の1以上に当たる46万人が避難民となり、親類の家に身を寄せたり、国連の避難所で暮らしたりしている。100人に満たない専門の教師たちが、10万人以上の子どもたちを「治療」しているのだ。

 心理療法士や精神科医と一対一のセラピーが行えるのは、症状がひどい子どもに限られる。フォローアップ治療が行われるのは、さらに少ない数になる。

 ガザでは2008~09年と、12年にもハマスとイスラエルによる衝突が激化したが、その影響は今回ほどではなかった。ユニセフによれば、ガザでは今、32万6000人の子どもたちが心のケアを必要としているという。国連の避難所で暮らす子どもたちは、少なくともグループ治療を受けることができるが、それ以外の数十万人の子どもたちは、破壊された街を、支援を受けることなくさまよっている。(c)AFP/Guillaume Lavallee