【8月2日 AFP】ロシアの兵士が撮影した写真が論議を巻き起こしている。ロシア政府がウクライナ軍と親ロシア派武装勢力との戦闘への関与を否定し続ける中、これらの写真がウクライナ国内で「セルフィー(自分撮り)」されたものである可能性が浮上したためだ。

 写真共有サービス「インスタグラム(Instagram)」を日常的に利用してきたロシア兵、アレクサンドル・ソトキン(Alexander Sotkin)さん(24)はこれまでに、軍服姿の複数のセルフィー写真を投稿している。

 これらの写真そのものから得られる情報はほとんどないものの、インスタグラムの位置情報データから、これらの多くはウクライナで撮影されたものであることが分かった。インスタグラムで共有される写真には、撮影場所が写真と一緒に公開される「ジオタグ」を付けることができる。

 ソトキンさんが公開した一連の写真は、所属する部隊が配置されたロシア南部ボロシノ(Voloshino)の村で撮影されたとみられている。しかし、先月5~6日に投稿された2枚の写真には、そこから10キロほど離れたウクライナ国内の地点を示すジオタグが付けられていた。

 これを最初に報じた米インターネット・ニュースサイト「バズフィード(BuzzFeed)」は、ロシア軍が国境を越えてウクライナ領土に侵入していたことを示す証拠になり得ると指摘。あるコンピューターの専門家はAFPに対し、投稿された写真の位置情報を改ざんするのは可能だが、コーディングに関する非常に高度な知識が必要になると説明した。

 ロシア国防省は、この報道に関するコメントを拒否している。(c)AFP/Anais LLOBET