【7月30日 AFP】旅客機の数がますます増える中、今後20年間のうちに世界で新たに53万3000人の民間機パイロットが必要になるとする予測を、米航空宇宙機器大手ボーイング(Boeing)が発表した。同社はまた2014~33年までの約20年間で、58万4000人の整備士が新たに必要となるともみている。

 同社は声明で「世界のパイロット需要のうち、アジア太平洋地域の需要が今や41%を占めており、中東地域の需要増も著しい」、「それらは航空路線の定員増加と大型機の発注増加による。全体的に、世界需要は旅客機、特に大型機の納入が着実に増加していることに押されており、それが意味するところは、世界で毎年約2万7000人のパイロットと2万9000人の整備士が新たに必要となることだ」と述べている。

 ボーイングによれば、アジア太平洋地域だけで今後20年間にパイロット21万6000人、整備士22万4000人を採用する必要がある。また欧州ではパイロット9万4000人と整備士10万2000人、北米では各8万8000人と10万9000人、中東では各5万5000人と6万2000人が必要になると予想している。

 ボーイング・フライト・サービス(Boeing Flight Services)のシェリー・カーバリー(Sherry Carbary)副社長は「航空機の専門職に対する世界需要を満たすという課題は、1社や世界の中の1つの地域では解決できない。世界中の航空会社、航空機、訓練装置メーカー、訓練組織、規制機関、教育機関など、すべての関係者による取り組みでしか解決できない世界的な問題だ」と語った。(c)AFP