【7月7日 AFP】米国家安全保障局(National Security AgencyNSA)が傍受した膨大な量の通信記録の90%が、情報活動の対象となっている外国の標的ではなく、一般のインターネット利用者のものだったことが分かったと、米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)が報じた。

 同紙は、ロシアに一時亡命したNSAのエドワード・スノーデン(Edward Snowden)元職員が提供したNSAによる通信傍受データを4か月にわたって調査した結果、関連ファイルの半数近くが、米国民か米国内の居住者のものだったことが分かったと報じている。

 調査は、バラク・オバマ(Barack Obama)氏の米大統領1期目(2009~12年)に1万1000件以上のオンラインアカウントから収集された、16万件の電子メールやインスタントメッセージ(IM)、そして7900通の文書を基にしている。

 ポスト紙によると、NSAが保有し続けていたファイルには、分析官らが「役に立たない」とする「恋愛や失恋、非道徳的な性的関係、精神疾患の悩み、政治や宗教に関する会話、経済的不安、絶望」などについての通信も含まれていたという。

 ただ一部のファイルには、「外国の核開発計画、うわべだけの同盟国による二枚舌外交、非友好国に降りかかる軍事危機、米国のコンピューターネットワークを攻撃するハッカーの身元についての新たな情報」といった「情報活動上の価値が非常に高い発見」も含まれていたとされる。(c)AFP/Peter STEBBINGS