【7月2日 AFP】サッカードイツ代表のGKマヌエル・ノイアー(Manuel Neuer)の持ち場を飛び出す癖が、1982年大会の西ドイツ対フランス戦で起きた悪名高き事件を再現することになるかもしれないと、当事者の元西ドイツ代表GKハラルト・シューマッハ(Harald Schumacher)氏が1日、語った。

 シューマッハ氏は、自身の持ち場を離れてフランスのパトリック・バチストン(Patrick Battiston)氏にショルダーチャージを見舞い、「セビリアの殺りく者(Butcher of Seville)」のレッテルを貼られた。バチストン氏は意識を失ってピッチに倒れ、数本の歯を失って、脊椎を損傷した。

 6月30日に行われたW杯ブラジル大会(2014 World Cup)決勝トーナメント1回戦のアルジェリア戦で、ノイアーはボールをクリアするため数度にわたりペナルティーエリア外に飛び出したが、それと同時に相手選手を押し倒しそうにもなった。

 60歳のシューマッハ氏はドイツの日刊紙ビルト(Bild)主催の会見でAFPに対し、「ほんの一瞬でのことだ」と切り出した。

「ノイアーはどれだけゴール前から飛び出していっただろうか。不運にも遅れて、ああいった(1982年大会と同じ)出来事に見舞われる可能性がある」

 ドイツが準々決勝で対戦するフランスを知る男として記者団に紹介されたシューマッハ氏は、バチストン氏に対し故意に危害を加えようとしたわけではなく、ボールに向かっていただけだったと、今も自身の見解を変えることはしていない。しかしながら、両者が交錯した時点でバチストン氏はすでにシュートを放っていた。

「大きな大会がある度に、この話題が上がる。その後私は謝罪した。とはいえ、それは交錯した後に私が救助をしなかったからだ」