【6月24日 AFP】ウクライナの親ロシア派武装勢力は23日、ウクライナ政府側と一時停戦して同国東部で2か月半におよんでいる両者の戦闘の終結について交渉することに初めて同意した。

 これに先立ちウクライナ新政府のペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領が今月27日朝までの停戦を命じていたほか、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領も22日、停戦支持を表明し親ロシア派に戦闘停止を求めていた。

 ウクライナ東部で一方的に独立を宣言した「ドネツク人民共和国(Donetsk People's Republic)」の首相を名乗るオレクサンドル・ボロダイ(Oleksandr Borodai)氏は露国営タス通信(ITAR-TASS)に対し、ウクライナ政府が宣言した停戦に応じる形で今月27日まで戦闘を停止し、停戦中に平和的解決に向けた協議開始についてウクライナ政府側と話し合う用意があると語った。

 ボロダイ氏の停戦宣言は、親ロシア派との戦闘やロシアからのガス供給停止に伴う経済危機への対応に奮闘しているポロシェンコ大統領にとって喉から手が出るほど欲しかった事態打開への起爆剤だといえる。

 ウクライナ東部の親ロシア派勢力が支配する2地域は、プーチン氏の制止を振り切る形で今年5月に一方的に独立を宣言した。このことで親ロシア派へのプーチン氏の影響力を疑問視する見方も出ていたが、今回の発表から、プーチン氏の意向が親ロシア派の意思決定に決定的な役割を果たしていることがうかがわれる。(c)AFP/Dmitry ZAKS