【6月23日 AFP】中国の国営テレビは22日、不穏な情勢が続く中国西部・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)でマージャンに興じていた市民を切りつけたウイグル人名の男が、「聖戦」の名の下に犯行に誘われたと述べて謝罪する映像を放映した。

 この男は、新疆ウイグル自治区のホータン(Hotan)市で1週間前、マージャン中の人々を切り付けた3人組の1人で、残る2人は既に死亡している。

 中国中央テレビ(CCTV)が放映したインタビュー映像の中で、ミルザット(Mirzat)という名の容疑者は、オレンジ色の囚人服に手錠をかけられた姿で、仲間2人から犯行に誘われたと告白した。

 ミルザット容疑者は「聖戦に加われば、死後に天国に行けると説き伏せられた」「私は誤って彼らの言葉を信じ、恐ろしいことをしてしまった。傷つけた人たちに謝罪したい」などと後悔の念を語っている。

 CCTVは今週初め、刃物などを手にしたミルザット容疑者ら3人が人々と争う画像を放映していた。画像には、刃物を手にマージャン場に立っている男や、1人がマージャンをしていた人に背後から切り付ける様子が映っていた。

 この襲撃に対し、マージャン場内にいた人々は椅子などを手に反撃。3人組は外に逃げ出したが、武装警察が駆け付ける前に激怒した群衆に取り囲まれた。事件では市民4人が負傷し、容疑者3人のうち2人が死亡したが、群衆と武装警察のどちらが容疑者を殺害したのかは不明。

 ミルザット容疑者はCCTVのインタビューで「椅子や机で反撃されるとは思っていなかった。すごく怖かった」と述べている。

 中国の国営テレビは、しばしば容疑者のざんげ映像を放映するが、公正な裁判の妨げになるとの批判も出ている。(c)AFP