【6月23日 AFP】米国防総省は、弾道ミサイルを地上配備型の迎撃ミサイルで撃ち落とす実験を22日に行い、初めて成功したと発表した。

 米航空宇宙機器大手、ボーイング(Boeing)の地上配備型ミッドコース防衛(Ground-based Midcourse DefenseGMD)システムは、北朝鮮やイランなどの長距離弾道ミサイルに対応するため、400億ドル(約4兆円)をかけて開発された。ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)前大統領の下で2004年にプロジェクトが開始されたが、発射実験ではこれまで8回中5回失敗していた。

 今回の実験では、マーシャル諸島・クエゼリン環礁(Kwajalein Atoll)にある米陸軍のミサイル防衛実験施設から発射した中距離弾道ミサイルの模擬弾を、米カリフォルニア(California)州にあるバンデンバーグ空軍基地(Vandenberg Air Force Base)から発射したミサイルで迎撃し、太平洋上で撃ち落とすことに成功した。

 バラク・オバマ(Barack Obama)大統領率いる現政権は、実験が成功した暁には総額13億ドル(約1300億円)を投入して迎撃ミサイル14基を増やす計画を表明している。(c)AFP