【6月21日 AFP】これまで10年にわたりサッカースペイン代表と同国1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)を牽引してきた34歳のシャビ・エルナンデス(Xavi Hernandez)が、クラブと代表の両方から引退するという噂がささやかれるなか、スペイン代表のコケ(Jorge Resurreccion Merodio 'Koke')とサンティ・カソルラ(Santi Cazorla)は、両方のチームにシャビが与えた影響を称賛した。

 代表通算133キャップを誇るシャビは、チリに0-2で敗れ、グループリーグ2試合目にして「ラ・ロハ」(La Roja、スペイン代表の愛称)のW杯敗退が決まった試合をベンチで眺めることしかできず、オランダに1-5の大敗を喫した試合がW杯最後の試合になるかもしれない。

 しかし、イングランド・プレミアリーグのアーセナル(Arsenal)に所属するカソルラは、「シャビのようなサッカー選手が再び現れることは今後ないだろう。代表チームの成功の大きな部分は彼のおかげだ」とほめたたえた。

「彼は目を見張るような選手だし、今も代表チームの一員だ。僕たちはシャビと一緒に多くの時間を楽しんできたし、これからも僕たちがそう続けられたらいいと思う」

 一方、アトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)に所属する22歳のコケは、スペイン黄金世代を継承する鍵となる1人に挙げられているが、ブラジルで失敗するまで、過去3回の国際大会を連続して制覇したチームの先頭に立つシャビの業績に迫るのは至難だろうと語っている。

「それは難しいよ。シャビは唯一無二の存在なのだから。彼がこれまでに成し遂げてきたこと、そして現在も君臨している立場、すべてで彼に迫るのは困難だ」

 スペイン代表では、ビセンテ・デル・ボスケ(Vicente del Bosque)監督の進退についても取り沙汰されている。デル・ボスケ監督の契約は2016年の欧州選手権(UEFA Euro)まで残っているが、現時点で将来は不透明だ。

 カソルラは、ブラジル大会でスペインが不振だった理由は、勝利への飢えを欠いていたからだという批判に反論し、コケのような選手の台頭によって今後の大会でもスペインは手ごわいチームであり続けるだろうと語った。

「僕たちはチリとオランダというとても優れた2チームに負けたが、そうしたことが起きるのがサッカーだ。だけど、勝利に対する飢えや野心が足りなかったとは思わない」

「今、僕たちに必要なのは、この大会を可能な限り良い形で終わらせ、明るい未来に向かって顔を上げることだ。ビセンテ(デル・ボスケ監督)は長い間僕たちと過ごし、彼のおかげでこの成功を手にしてきた。僕たちは彼の決断を待たなければならない」

 さらにカソルラは、「(代表を)続けない選手もいるかもしれないけれど、そこにほかの選手が入ってくる。スペインの未来はわくわくするし、何が起きるか楽しみだ」と語った。(c)AFP/Kieran CANNING