【6月19日 AFP】男子テニスのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)とノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は、ここ10年で最も予測不可能なタイトル争いを前に、不安に駆られながらウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2014)開幕を迎える。

 世界ランク1位のナダルは、全仏オープンテニス(French Open 2014)で史上最多となる9度目のタイトルを獲得したばかりで、ウィンブルドンでは2008年と2010年に優勝、2006年、2007年、2011年には準優勝を飾った。

 しかし、ナダルは過去2大会で屈辱的な敗戦を経験している。

 昨年大会(The Championships Wimbledon 2013)初戦でナダルは、当時世界ランク135位で、それ以降も主要大会で優勝経験のないスティーブ・ダルシ(Steve Darcis、ベルギー)と対戦し、初めてグランドスラムの1回戦で土をつけられた。

 ナダルは、2012年大会(The Championships Wimbledon 2012)の2回戦でも、当時世界ランク100位で、強力なストロークを武器にしていたルカシュ・ロソル(Lukas Rosol、チェコ)に敗れ、それから7か月間ツアーを欠場している。

 28歳のナダルは、2週間前の全仏オープン決勝でジョコビッチから勝利を収め、通算14度目のグランドスラム制覇を達成した直後、ウィンブルドンが期待外れに終わる可能性を示唆した。

 今大会で第2シードとなったナダルは、「体調は問題ない。それが最も重要だ。膝がグラス(芝)コートでも良い状態にあることを期待している。昨年は、他のサーフェスでの方が膝の感触が良かったからね」とコメントした。

「負傷した後のグラスコートは、いつも少し難しい。2012年のウィンブルドンでは膝の故障を抱えながらプレーし、その後は全試合を欠場してしまった。昨年も努力はしたが、試合に十分な準備ができていなかった。今年はどんな感触になるかだね」

 先週のゲリー・ウェバー・オープン(Gerry Weber Open 2014)初戦で、格下のダスティン・ブラウン(Dustin Brown、ドイツ)に敗北を喫したナダルは、まだ芝で好感触を得ることはできていない。

 ナダルは、「あの試合は、すべての点において駄目だった」と嘆いた。

 一方、世界ランク2位のジョコビッチは、2011年のウィンブルドン(The Championships Wimbledon 2011)で優勝し、2013年大会(The Championships Wimbledon 2013)ではアンディ・マレー(Andy Murray、英国)に次ぐ準優勝を飾っているが、ここ数年はウィンブルドンの前哨戦となるグラスコート大会に出場していない。

 今大会で第1シードとなった27歳のジョコビッチは、2013年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2013)を含む6度のグランドスラムで優勝の実績がある。

 ジョコビッチは、今年の全仏オープンで大会初優勝と史上8人目の生涯グランドスラム達成を阻まれ、通算13回目のグランドスラム決勝で7度目の敗北を味わった。

 さらなる不安要素として、ジョコビッチはグランドスラム決勝の最近6試合で、1勝しか挙げられていない。(c)AFP/Dave JAMES