【6月17日 AFP】消息を絶ってから3か月が経過したマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH370便について英衛星通信事業者インマルサット(Inmarsat)の科学者たちは17日、英国放送協会(BBC)のテレビの番組で、同機がたどったと思われる飛行ルートと墜落した可能性が最も高いインド洋(Indian Ocean)南部の海域を算出したと語った。

 同機失踪後、ここ2か月の捜索はオーストラリア・パース(Perth)北西の850キロ四方の海域に費やされたが、同機のものとみられた「ピン」と呼ばれる信号の発信源は見つからず、潜水ロボットによる捜索でも何も手掛かりが得られなかった。これについてインマルサットのクリス・アッシュトン(Chris Ashton)氏はBBCのドキュメンタリー番組「ホライゾン(Horizon)」で「まったくあり得ない位置ではないが、われわれが最も可能性が高いと考える位置よりも北東だった」と述べた。

 MH370便の捜索活動を統括するために設置されたオーストラリアの合同機関調整センター(JACC)は、豪艦船オーシャン・シールド(Ocean Shield)に搭載されたブラックボックス探知機が拾った4つのピン信号について当時は追及すべきだったとしている。JACCはAFPに対し声明で「4つの信号音全部を合わせれば、MH370便の捜索で最も有望な手掛かりとなっていた。MH370便の墜落地点として捜索隊が除外するか、もしくは確認するまで、徹底して追及する必要があった」と述べている。

 豪当局も、衛星データを用いて描かれたインド洋南部へと延びる弧を描くような線が、実際のMH370便の飛行ルートに近いとの見解に同意している。

 しかし豪運輸安全局(Australian Transport Safety BureauATSB)は、専門家らによって依然、次の段階の捜索を進める地域を特定している最中だという。

 結果の出ない捜索に対する乗客の家族らの批判を受けて、マレーシアの民間航空局とインマルサットは前月、衛星で収集した生データを公開した。しかしデータは複雑で、墜落位置に関する独立した結論はほとんど引き出せるものではなかった。(c)AFP