【6月16日 AFP】キューバのグアンタナモ湾(Guantanamo Bay)にある米海軍基地内の収容施設に収容されていた男に率いられたイスラム武装勢力の勧誘グループが16日、スペインの首都マドリード(Madrid)で夜明け前の家宅捜査により摘発され、8人が逮捕された。

 スペイン内務省によると、このグループはシリアとイラクを拠点に活動する国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系のイスラム武装勢力「イラク・レバントのイスラム国(Islamic State of Iraq and the LevantISIL)」のために戦闘員を勧誘し、現地へ送っていた。「このグループの首謀者は2001年にアフガニスタンで拘束され、グアンタナモに収容された後、スペインに住んでいた点は注目すべきだ」と内務省は指摘しているが、詳細は明かしていない。

 このグループに関する警察の家宅捜査はこれまで12件に上り、8人を拘束。現在も捜査は続いている。スペイン政府は、アルカイダに触発されたイスラム勢力の影響下にあるシリアなどの紛争地帯から戦闘員たちがスペインに戻って来ることを警戒している。スペインでイスラム武装勢力の勧誘組織に対する大規模な摘発は今年3度目となる。

 今年は191人が犠牲となった2004年にマドリードで起きた列車爆破テロ事件から10年目にあたる。この事件以降、これまでにスペインではイスラム武装勢力関連の容疑者470人以上が逮捕されている。(c)AFP