【6月16日 AFP】パキスタン軍は15日、同国北西部の部族地域、北ワジリスタン(North Waziristan)地区で、欧米諸国が長く実施を要求していたイスラム武装勢力タリバン(Taliban)と国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)を一掃する地上作戦を開始したことを明らかにした。

 同国では1週間前、カラチ(Karachi)の国際空港を武装集団が襲撃し、同集団の10人を含む38人が死亡する事件が起きており、アフガニスタンとの国境沿いにある同地区に潜伏するタリバンとウズベク人武装勢力が犯行声明を出していた。

 米国をはじめ西側の同盟諸国は、北ワジリスタンでの作戦を長期にわたり要求していた。米国は、パキスタン政府がこの地域を、アフガニスタン内で北大西洋条約機構(NATO)への襲撃を繰り返す武装組織「ハッカニ・ネットワーク(Haqqani Network)」の安全な拠点として利用していると非難してきた。

 北ワジリスタンの中心都市、ミランシャー(Miranshah)の軍当局者が匿名を条件にAFPの取材に語ったところでは、空軍、大砲、戦車、そして「およそ2万5000人から3万人」の地上部隊を含む統合作戦が開始された。

 軍の発表によると、この作戦のわずか数時間前には、同地域での夜間の空爆により、カラチの空港襲撃事件に関与したとされる過激派戦闘員を含む少なくとも80人が死亡していた。ただし地元当局者は、死者数を150人ともしている。

 ある当局者によると、カラチ空港攻撃の首謀者とされるウズベク人のAbu Abdul Rehman Almani容疑者を含む複数の司令官がこの空爆で死亡した。 (c)AFP/Hasbanullah Khan