【6月13日 AFP】ウクライナのペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領は12日、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露大統領と電話で会談し、ロシアの戦車3両が同日、国境を越えてウクライナ東部に侵入したとの情報について「容認できない」と抗議した。ウクライナ大統領報道官がフェイスブック(Facebook)上で明らかにした。一方ロシア側はこの情報を否定した。

 今月7日に大統領に就任したポロシェンコ氏がプーチン氏と電話で会談したのは今回が初めてだとみられる。ウクライナ政府が「実質的で広範な内容にわたった」とするこの電話会談で、ポロシェンコ氏はウクライナ東部の危機を終結させる方法について自らの案を示し、議論したという。

 ロシア側は、ポロシェンコ氏が選挙公約である「暴力の終結」を実現できていないと非難し、ウクライナ軍が禁止されている焼夷(しょうい)弾を民間人に対し使用したとする情報について調査するようウクライナ側に要求した。

 ポロシェンコ氏は今月8日、約2か月にわたって続き死者270人を出している戦闘を今週末までに終結させると述べ、周囲を驚かせた。しかし戦闘が収まる気配はほとんどない。

■ドネツクでは親露派幹部のミニバスが爆発

 ウクライナ東部ドネツク(Donetsk)では12日、親露派の指導者デニス・プシーリン(Denis Pushilin)氏が所有するミニバスが爆発し、同氏の側近2人が死亡、2人が負傷した。

 プシーリン氏は、一方的に独立を宣言している「ドネツク人民共和国」の指導者の1人。爆発は12日夜、現在親露派が司令部を置いている市中心部の元ドネツク州庁舎前で起きた。「人民共和国」側の広報はマイクロブログのツイッター(Twitter)で「テロリスト」の攻撃により2人が病院で死亡したと発表している。プシーリン氏自身は爆発当時バスに乗っていなかった。

 プシーリン氏は7日にもドネツク中心部で、暗殺未遂と思われる事件に遭っている。この時はプシーリン氏の助手が現場で射殺された。(c)AFP