【6月13日 AFP】国連食糧農業機関(Food and Agriculture OrganisationFAO)と世界保健機関(World Health OrganizationWHO)は12日、世界で年間300万人以上の5歳未満の幼児が栄養失調で死亡しているとする統計を発表し、各国政府に問題解決に取り組むよう訴えた。

 FAOによると「5歳未満で亡くなる子どもの約半数が栄養失調によるもので、毎年300万人以上」に上っている。世界中で約1億6200万人の子どもが慢性的な発育不全で、また9900万人の子どもが低体重児だという。栄養不良自体は1990年代初頭より17%減っているが、今も世界で8億4000万人が栄養不良状態だとしている。

 さらにFAOとWHOは、同じ栄養不良でも発育不全と肥満など、違う形態の栄養不良が、一つの国の中や、一つの家庭の中にさえ並行して存在していると警告している。「5歳未満の慢性的な栄養不良あるいは発育不全の子どもが約1億6000万人いる一方で、20億人を超える人々が1種類以上の微量栄養素欠乏の状態にある。同時に約5億人が肥満状態だ」という。

 WHOのマーガレット・チャン(Margaret Chan)事務局長は、今年11月に伊ローマ(Rome)で開かれる栄養に関する国際会議で各国政府に「なぜ同じ国、同じ地域社会の中に発育不全と肥満が同時に存在できるのか、見つめ直してもらうつもりだ」と述べている。(c)AFP