【6月5日 AFP】3日に投開票が行われたシリア大統領選挙で、現職のバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領が88.7%の票を獲得し、再選を決めた。現大統領の当選は当初から確実視されており、アサド政権の転覆を狙う反体制派は、同選挙を「茶番」と非難している。

 シリア人民議会のモハマド・ラハム(Mohammad al-Lahham)議長が発表した開票結果によると、対立候補だったハサン・アブダラ・ヌリ(Hassan Abdallah al-Nuri)氏とマーヘル・アブドル・ハフィズ・ハジャル(Maher Abdel Hafiz Hajjar)氏はそれぞれ4.3%と3.2%の票を獲得した。

 同選挙は、シリア領土の約4割に相当する政府支配地域と、国外居住者の間でのみ行われた。ある当局者は、全有権者1580万人のうち1160万人が投票し、投票率は73.42%に達したと話している。

 一方、東部デリゾール(Deir Ezzor)の反体制派スポークスマンはインターネットを通じたAFPの取材に対し、「シリア国民は決意を固めた。どんな犠牲を払っても革命を続ける」と述べた。

 開票結果が発表されると、国営テレビは首都ダマスカス(Damascus)の街頭に繰り出しアサド氏の勝利を祝う人々の映像を放映した。

 シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)によると、同市ではアサド政権支持派による祝砲にあたり3人が死亡、十数人が負傷した。(c)AFP/Roueida MABARDI