【6月4日 AFP】欧州を歴訪中のバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は3日、最初の訪問国ポーランドで、10億ドル(約1000億円)規模の東欧防衛強化策を発表した。ロシアの影響力が再び強まるとともに、旧ソ連構成国ウクライナで親露派が台頭していることに対する危機感を緩和する狙いがあるとみられる。

 オバマ大統領は欧州諸国訪問の第一歩として、ポーランド初の自由選挙実施から25周年を記念する式典に出席。同国初の自由選挙は、東欧諸国がロシアの影響から脱し、民主化と自由市場の拡大に向けて動き出した重大な出来事と位置付けられている。

 米国とポーランドのF16戦闘機操縦士の合同部隊を視察後、オバマ氏は「ポーランドの安全保障と、中東欧の同盟国の安全保障のために尽力することは、米国の安全保障の礎であり、侵されるべきものではない」と述べた上で、欧州の「新たな同盟国」への増派の資金として最大10億ドルを投入すると発表した。

 同時にオバマ氏は、欧州内の主要国の防衛費が「目に見えて減少」していることに懸念を示し、それらの国々は北大西洋条約機構(NATO)における責務も果たせていないと批判した。

 同大統領は4日、ウクライナ新大統領に選出された「チョコレート王」の異名を持つペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)氏と会談することになっている。(c)AFP/Stephen COLLINSON and Dmitry ZAKS in Kiev