【6月3日 AFP】イランの首都テヘラン(Tehran)は2日、激しい砂嵐と記録的な強風に見舞われ、少なくとも4人が死亡した。夕方のラッシュアワーに発生したこの嵐で街は闇に包まれ、数千人の市民が覆いを求めて走る姿がみられた。

 不気味な嵐が襲ったのは午後5時10分(日本時間同9時40分)で、住民らが仕事を終え帰宅する時間帯だった。木々はなぎ倒され、吹き荒らされた街路の砂ぼこりが車のフロントガラスに降り掛かった。国営メディアによると、ピーク時の風速は30メートルに達したという。

 電力当局者の話では、少なくとも5万世帯で停電し、窓ガラスが割れる、通信塔が倒れる、建物のれんが細工が飛ばされるなどの被害が出たという。

 同国の緊急対策本部長は、死者が出たことに加え少なくとも27人が負傷し、うち10人は急に嵐に見舞われた際の交通事故によるけがだったと発表した。国営テレビはその後、負傷者のうち2人は重体と伝えた。

 同市当局によると、約7000人の緊急対策要員が出動したという。政府の気象予報担当者は、4日まで悪天候が続く恐れがあるとして警戒を呼び掛けている。(c)AFP/Arthur MACMILLAN