【5月30日 AFP】米国では今年これまでに、はしか患者が288人確認されており、過去20年間で最も多くなっている。感染例が増えている背景には、予防接種を受けていない人の増加があるという。

 米疾病対策センター(Centers for Disease Control and PreventionCDC)の29日の発表によると、1~5月の5か月で報告された症例数としては1994年以来最高。感染した人のほぼ全員が予防接種を受けていない米国人で、旅行先の外国で感染したという。

 感染した人の多くが、2013年以来はしかが大流行しているフィリピンへ旅行した後に発症している。感染した人が米国内に持ち帰ったウイルスが予防接種を受けていない人が多いところで広がっていると、CDC国立予防接種・呼吸器疾患センター(National Center for Immunization and Respiratory Diseases)アン・シュチャット(Anne Schuchat)所長は説明している。

 CDCによると、米国内のはしか患者の90%は予防接種を受けていないか接種状況が不明。予防接種を受けていない人の85%は「宗教的、哲学的、または個人的理由から」接種を拒否した人たちだという。

 世界全体では毎年2000万人がはしかにかかり、うち12万2000人が死亡していると推計されている。(c)AFP