【5月29日 AFP】第97回ジロ・デ・イタリア(2014 Giro d'Italia)は28日、第17ステージ(サルノーニコからヴィットーリオ・ヴェネト、208キロメートル)が行われ、バルディアーニCSF(Bardiani-CSF)のステファノ・ピラッツィ(Stefano Pirazzi、イタリア)がステージ優勝を飾った。

 ピラッツィが小さな逃げ集団のなかの争いを制し、自身初となるジロのステージ優勝を果たした。

 逃げ集団がステージを通して一度も追い上げを受けなかった一方で、総合首位に立つモビスター・チーム(Movistar Team)のナイロ・キンタナ(Nairo Quintana、コロンビア)は、総合優勝争いのライバルたちとともに、15分ほど遅れてメーン集団でゴールした。

 昨年のツール・ド・フランス(2013 Tour de France)で総合2位に入り、この日は初めてピンクジャージー(マリアローザ)をまとってレースに臨んだキンタナは、オメガファルマ・クイックステップ(Omega Pharma-Quick Step)のリゴベルト・ウラン(Rigoberto Uran、コロンビア)との1分41秒差、BMCレーシングチーム(BMC Racing Team)のカデル・エヴァンス(Cadel Evans、オーストラリア)との3分21秒差を守っている。

 ところが、24歳のキンタナにとって、この日は気の休まらない1日になった。キンタナは、前日の第16ステージで前年総合2位のウランから首位を奪っていたが、その走りがルール違反だと批判されていた。

 ウランの所属するオメガファルマ・クイックステップなど数チームは前日、ステルヴィオ(Stelvio)峠での大会主催者とキンタナの行動は不誠実だと不満を述べていた。

 オメガファルマらは、主催者が峠で行ったアナウンスを、悪天候のため下り坂を「ニュートラライズ(事実上レース無効)」とするものと解釈した。しかしその後、主催者側は道路の先に危険箇所があることを警告するために、赤い旗を持った係員を後ろに乗せたバイクを配置するという発表しただけだと主張した。

 そのためこの坂では、主催者の「助言」を真に受けた選手やチームがいる一方で、気にせず下ったキンタナのような選手もいた。自身初となるグランツール(三大ツール)制覇を目指すキンタナは、このステージを制してマリアローザを奪い、大会も残り数日となるなかで優勝争いの主役に躍り出ている。(c)AFP