【5月28日 AFP】イラン学生通信(ISNA)は27日、イランの裁判所が、米SNS大手フェイスブック(Facebook)が提供するアプリがプライバシーを侵害したとする訴訟をめぐり、同社の共同創設者で最高経営責任者(CEO)のマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)氏に召喚命令を出したと報じた。

 イランではここ数か月で起きたインターネットのアクセスをめぐる一連の騒動により、規制の緩和を求める穏健派と強化を求める保守派との対立が浮き彫りとなっている。

 ISNAによると、ファールス(Fars)州の裁判所は、フェイスブックの所有する携帯端末向けメッセージングサービス「WhatsApp(ワッツアップ)」と画像共有サイト「インスタグラム(Instagram)」のプライバシー侵害疑惑について説明するため、ザッカーバーグCEOに出廷を命じた。

 また、イランのインターネットセキュリティー当局高官は、司法当局がワッツアップとインスタグラムの禁止を命じたと語ったという。

 ただ国営イラン通信(IRNA)は、ファールス州の州都シラーズ(Shiraz)の検察官の話として、ワッツアップとインスタグラムの「画像や動画の公開」に関する捜査が行われているものの、ザッカーバーグCEOの召喚の事実はないと否定した。

 アリ・アルカシ(Ali Alqasi)検察官はIRNAに対し「これらのサイトは、インターネットで不正行為を働き、わいせつな画像を公開したとして告訴されており、原告側は裁判官に対し、関係する人物らの特定を要求した」と説明しつつも、ワッツアップとインスタグラムのアクセス遮断の事実はないと言明した。

 イラン当局は、ツイッター(Twitter)やフェイスブック、そして政権に有害もしくはイスラム的でないとみなしたウェブサイトなどへのアクセス制限を日常的に行っている。(c)AFP