【5月28日 AFP】26日から2日間の日程で投票が行われたエジプト大統領選で、投票率の伸び悩みが報じられる中、同国の選挙管理委員会は27日、投票期間を1日延長すると発表した。

 同選挙では、昨年にイスラム主義組織出身のムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)大統領を解任した軍の元トップ、アブデルファタフ・サイード・シシ(Abdel Fattah al-Sisi)氏の当選が確実視されているが、同氏の陣営は高い投票率によって国民による絶対的な支持を示すことを狙っていた。

 初日の投票率の低さが報じられたことを受け、シシ氏の支持者らや同氏に好意的なメディアは人々に投票を呼び掛けた一方、イスラム主義勢力は選挙のボイコットを呼び掛けていた。

 半国営の中東通信(MENA)によると、2日目の投票が終わった時点での投票率は約37%で、2012年にモルシ氏が同国で初めて選挙によって選ばれた大統領となった際の投票率(約52%)を大幅に下回っていた。

 選管は投票延長の理由を「投票者の数を可能な限り増やす機会を与える」ためと説明。また、「熱波により夜間の投票所が混雑した」ことも理由として挙げている。

 シシ氏の唯一の有力な対立候補である左派政治家のハムディーン・サバヒ(Hamdeen Sabbahi)氏は、投票の延長は「選挙プロセスの健全性に対する疑念」を生むものだとして批判した。

 またシシ氏の陣営も、延長は投票者と(投票を監督する)判事らを困憊(こんぱい)させるとして、選管に不服を申し立てた。(c)AFP/Samer AL-ATRUSH, Jay DESHMUKH