【5月27日 AFP】「なぜ彼女は逃げなかったのか?」──米カリフォルニア(California)州で10年前に誘拐された後、自らの意思に反して拘束され、繰り返し性的暴行を受けてきたと訴え出た25歳の女性に対し、このような疑問の声が高まっている。

 女性の主張に疑いの目を向ける人たちは、まるで地下牢のような部屋で強制的な監禁が行われていた他の類似事件とは異なり、女性が隣人たちから、幸せな結婚をし、子どもをもうけた女性だとみられていた点を指摘している。

 だが、長期監禁事件の被害者として注目を浴びた少なくとも2人の女性が、この女性を擁護する声を上げ、彼女に起きたことは実際に経験した人でなければ理解できないと主張している。

「実際にその人と同じ経験をしてみなければ、そのことについて何一つ語ることはできない」──オハイオ(Ohio)州クリーブランド(Cleveland)にあるアリエル・カストロ(Ariel Castro)元受刑者の自宅地下室に長年にわたって監禁され、昨年ようやく解放された女性の1人、ミシェル・ナイト(Michelle Knight)さんはこう語った。

 カリフォルニアの事件では先週、女性が自ら警察署を訪れ、15歳の頃に誘拐された身の上を告白。その後、ロサンゼルス(Los Angeles)当局により、誘拐と強姦(ごうかん)、監禁の罪でイシドロ・ガルシア(Isidro Garcia)被告が起訴された。

 ガルシア被告は、女性に身体的・精神的な虐待を加えることで事実上の監禁状態に置き、結婚を強要して数年前には子どもも産ませていたとされ、有罪となれば最高で禁錮19年の刑が言い渡される。