ナダルが全仏オープンで抱える5つの不安要素
このニュースをシェア
■積極性の欠如
イタリア国際決勝では、ジョコビッチが46本のウイナーを記録するなど激しく安定した攻撃をみせ、ナダルは試合の流れを引き寄せる決定的なプレーをさせてもらえなかった。
ATPの公式記録によると、この試合でナダルのポイントは、両選手合計の約45パーセントにとどまった。
対するジョコビッチは鋭く多彩なアプローチショットを繰り出し、ネットプレーは66パーセントの成功率を記録した。
■精神力の問題
ナダルから勝利を収めてきた選手たちは、これまでの実績や数字にこだわらず、あくまでも目の前の人間と対戦した。
全仏オープンで唯一、ナダルに黒星をつけたロビン・ソデルリング(Robin Soderling、スウェーデン)は、2009年大会で軽快なプレーをみせ、自由自在に、驚くほど深く、力強く、正確なストロークを展開した。
ルカシュ・ロソル(Lukas Rosol、チェコ)も同じような戦略を採用し、世界ランク100位という低い順位をものともせず、2012年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2012)ではナダルを相手に大番狂わせを演じた。
■運命を左右するくじ運
ナダルとジョコビッチは第1、第2シードになるとみられるが、ナダルにとって油断は禁物となる。
ナダルが準々決勝まで勝ち進めば、現在世界ランク8位まで後退しているものの、昨季のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2013)を制したアンディ・マレー(Andy Murray、英国)、またはバルセロナ・オープン(Barcelona Open Banc Sabadell 2014)覇者の錦織が対戦相手になるかもしれない。
そして4回戦では、イタリア国際で4強入りしたミロス・ラオニッチ(Milos Raonic、カナダ)とグリゴール・ディミトロフ(Grigor Dimitrov、ブルガリア)という次世代のテニス界を担う選手と対戦する可能性がある。(c)AFP