■生産性の向上

 残る手段は生産性の向上だ。バリーカレボー社はそのために、世界最大のカカオ豆生産国、コートジボワールで生産者の技術向上プログラムを実施している。コートジボワールの研修センターを頻繁に訪れるシュタイネマンCEOは「耕作地を広げるのではなく、生産を増やすことに取り組んでいる。これが私たちの対策だ。最も重要なのは教育だ」と話す。

 コートジボワールのカカオ豆大農園は平均2~3ヘクタールほどの大きさ。生産者の多くはきちんとした研修をほとんど受けておらず、親から受け継いだ方法で栽培を行っている。シュタイネマンCEOは「古くてダメになった実や病気にやられてしまった葉を取り除けば、収穫量を大幅に増やすことができる」「全て簡単な方法。自分の庭でのガーデニングと同じだ」と語った。

 バリーカレボー社は一方で、遺伝子組み換えのカカオ豆にはさほど期待していない。最大の市場である欧州の消費者の好みや健康面に関する懸念を考えると、遺伝子組み換え豆はふさわしくないとシュタイネマンCEOは考えている。(c)AFP/Anne CHAON