【5月12日 AFP】11日に行われたイタリア・セリエAのアタランタ(Atalanta)対ACミラン(AC Milan)の試合で、終了間際にミランのケビン・コンスタン(Kevin Constant)のそばにスタンドからバナナが投げ込まれた。

 試合はアタランタが2-1でミランに勝利したが、この日の最も注目すべき出来事は後半ロスタイム、アタランタ陣内の深い位置で起きた。

 2本のバナナがピッチに投げ込まれると、1本はコンスタンが拾って主審に渡し、もう1本はスリナムとインドネシアにルーツを持つナイジェル・デ・ヨング(Nigel de Jong)が拾った。

 デ・ヨングとミランのフィリップ・メクセス(Phillipe Mexes)は、本拠地の観客に対して皮肉を込めて拍手を送っている。

 ミランのクラレンス・セードルフ(Clarence Seedorf)監督は、バナナを投げ込んだファンを無期限の入場禁止にすべきだと訴え、同時に選手の対応をたたえた。

 セードルフ監督は、「残念なことが起きたが、われわれの選手は高いプロ意識を持っており、最後まで動じなかった」とコメントした。

「誰がやったのかは分からないが、無期限の入場禁止にしてほしいと思う」

 アタランタのステファノ・コラントゥオーノ(Stefano Colantuono)監督も、「果物というテーマについて、1つ言えることがあるとすれば、バナナを投げた人間は頭にココナッツを食らうべきだ」と語った。

「おなじみの問題だが、受け入れがたい行為だ。両チームで作り上げた良い試合や、喜べたはずの勝利が、ああいったことで台無しになってしまったのを残念に思う」

 欧州サッカーではこのところ人種差別の問題が再燃しており、2週間前にはスペイン1部リーグの試合でFCバルセロナ(FC Barcelona)のダニエウ・アウベス(Daniel Alves)に対してバナナが投げつけられている。

 欧州サッカー連盟(UEFA)はスペインで起きた人種差別を非難しており、外国籍選手に対して猿を思わせる野次を飛ばしたり、バナナを投げ込んだりした人間に対しては、処分を下すことを求めている。

 4月27日のビジャレアル(Villarreal CF)戦で投げ込みの対象となったアルヴェスは、相手ファンが投げ込んだバナナを拾って実を一口食べ、意に介していない様子を見せたが、試合後には黒人選手から抗議の声が上がっていた。(c)AFP