【5月8日 AFP】1970年代に旧ソビエト連邦の宇宙飛行士3人を乗せて実際に宇宙空間を飛行した宇宙船のカプセルが7日、ベルギーで競売に掛けられ、100万ユーロ(約1億4000万円)で落札された。

 ドイツの競売会社レンペルツ(Lempertz)のクリスティン・デ・シェッツェン(Christine de Schaetzen)氏がAFPに語ったところによると、競り落としたのは電話を介して競売に参加した欧州在住の人物だという。

 旧ソ連と米国が宇宙開発競争にしのぎを削った冷戦時代の旧ソ連の宇宙カプセルが競売に登場するのはレンペルツによれば欧州初で、予想落札価格は最高140万ユーロ(約1億9800万円)とみられていた。

「再突入カプセル(Vozvrashchayemyi ApparatVA)」と呼ばれる高さ2.2メートルのカプセルは、1978年には無人ミッションにも使用され、訓練用として使われた後、ある英国企業に払い下げられた。今回、競売に掛けられるにあたって徹底的に原状回復され、大気圏再突入時の熱で焦げた痕などは消され真っ白に塗装し直されている。

 レンペルツでは、ブリュッセル(Brussels)支店立ち上げに際し、珍しい出品によって注目を得ようとこのカプセルの競売を企画した。

 競売にはロシアの宇宙服2着も出品され、1996年に宇宙ステーション「ミール(Mir)」のミッションで使用された1着は6万3000ユーロ(約890万円)で、また2003年の宇宙船ソユーズ(Soyuz)による国際宇宙ステーション(International Space StationISS)行きのミッションで使われた1着は7万ユーロ(約990万円)で、それぞれ落札された。(c)AFP