【5月6日 AFP】エーゲ海(Aegean Sea)で5日、アフリカからギリシャに向かっていたとみられる難民を乗せていた船2隻が転覆し、子ども4人を含む少なくとも22人が死亡した。沿岸警備当局が明らかにした。

 沿岸警備隊によると、全長10メートルの1隻を港にえい航して確認したところ、船内で18人が死亡しているのが見つかり、さらに4人の遺体が海上で収容されたという。

 報道によると、難民の大半はソマリア出身とみられ、死者のうち少なくとも1人は妊婦だったという。2隻には合わせて65人ほどが乗っており、隣国トルコから出航してギリシャのサモス(Samos)島沖を航行中に転覆した。事故発生当時、現場海域の天候は穏やかだった。

 当局はこれまでに、女性3人と少年1人を含む生存者36人を救出。少年は低体温症のためアテネ(Athens)の病院へ空路で搬送されたという。数人が行方不明者になっているとみられており、ヘリコプター2機に加え、ギリシャと欧州連合(EU)の沿岸警備隊の複数の巡視船と漁船3隻が出て捜索している。

 ギリシャは、戦火や貧困にあえぐアフリカ・中東・インド亜大陸の諸国からの難民がEUに入る主な玄関口の一つとなっている。特にエーゲ海の島々は、トルコ側から陸路でEUに入る際の審査が厳格になって以降、密航あっせん業者が頻繁に使うルートとなっている。(c)AFP