【4月10日 AFP】米国のプロボクサー、ティモシー・ブラッドリー(Timothy Bradley)は9日、マニー・パッキャオ(Manny Pacquiao、フィリピン)戦で議論を呼んだ判定勝ちを収め、数々の罵詈(ばり)雑言にさらされたときは、ボクサーとしてのキャリアの終止符を考えただけでなく、人生の終わりをも覚悟したと語った。

 無敗の王者ブラッドリーは、WBOウェルター級タイトルマッチでフィリピンのスター選手パッキャオから判定勝ちを奪い、世界王者として名をはせるはずだった。

 しかし、観客の多くはパッキャオの勝利を確信しており、物議を醸した末の判定でブラッドリーは「人生の暗黒期」を迎えることになった。

 12日にパッキャオとの再戦で汚名の返上を誓うブラッドリーは、「自殺を考えたかって?ああ、もちろんさ」と話した。

 ブラッドリーは、嫌がらせの手紙や殺害予告に加え、「お前は真の王者ではない」と書かれた「屈辱的な」手紙を受け取った過去についても、「もうボクシングをやりたくない、生きていたくないとすら思っていたよ」と振り返った。

 ガソリンスタンドでは、走り去る車から見知らぬ人物に罵声を浴びせられていたというブラッドリーは、今年に入り、ファンだという女性に次の対戦相手を聞かれてもまだ困惑したという。

 ブラッドリーが今月パッキャオと対戦することを伝えると、その女性は今度こそ勝ってほしいと言った。

「それは僕のファンだったんだ!」