【4月11日 AFP】米国では「働きに出ない母親」が増加傾向にあるとの調査結果を、米調査機関ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)がこのほど発表した。これは選択された結果というよりも、失業率の増加と人口動向によるところが大きいという。

 ピュー・リサーチ・センターによると2012年は、母親の3人に1人、あるいは29%が外に働きに出ていなかった。1999年は同23%だった。

 働きに出ていない母親のうち85%が、その理由として「育児」を挙げた。一方、「職が見つからなかった」ことを理由に挙げた母親は2000年の1%から6%に増えた。

■アジア・中南米出身の人口増加が関係か

 働きに出ていない母親の約3分の1は外国の出身者で、職場で働いている外国の出身者の5人に1人を大幅に上回った。同センターはこの傾向について、アジアおよび中南米出身者の人口が急速に増えていることと関連性があるかもしれないとした。

 さらに、外に働きに出ていない母親は年齢が低く、教育水準が低い傾向がみられた。また外に働きに出ていない母親の約3分の1が貧困ライン以下の生活を送っており、1970年の数字に比べ倍増していた。一方、働いている母親では貧困ライン以下は12%だった。

 またシングルマザーが増加傾向にある一方、働きに出る夫がいるケースでは、はるかに裕福で教育水準が高いという傾向がみられた。

 調査に回答した米国人の60%は「子どものためには片方の親が家にいた方がよい」との考えを持っていた。この考え方は、中南米やプロテスタント、そして教育水準の低い人々の間で最も強く支持されているという。(c)AFP