【3月31日 AFP】米連邦最高裁は26日、罪状の重さにかかわらず過去に家庭内暴力で有罪判決を受けたことがある者は、生涯にわたって銃の所有を禁じるとした連邦法を支持する判断を下した。

 この裁判では、自身の子どもの母親に対する軽度の家庭内暴力により過去にテネシー(Tennessee)州で有罪判決を受けたジェームズ・キャッスルマン(James Castleman)被告が、犯罪歴がある者による銃の所有を禁止した連邦法は自身には適用されないと主張していた。だがこの日の審理で最高裁の判事9人は全員一致で、キャッスルマン被告の主張を認めない判決を下した。

 キャッスルマン被告は家庭内暴力で有罪となった後、妻と共に闇市場での武器取引にかかわったとして、銃の違法所持の罪で当局に起訴された。取引された銃の1丁は、シカゴ(Chicago)の犯罪現場で発見された。

 被告は、同州の州法における軽罪の家庭内暴力の定義は連邦法ほど厳格ではなく、過去に有罪とされた家庭内暴力事件では連邦法が定める「物理的な力」は行使されなかったと主張。テネシー州の控訴審ではこの主張が認められていた。

 しかし、連邦最高裁は、下級審の判決を覆す判断を下した。ソニア・ソトマイヨール(Sonia Sotomayor)連邦最高裁判事は被告の主張を「説得力に欠ける」とした上で、「脅迫や暴行の罪で有罪となった家庭内暴力の被告を、(連邦法が)銃の所持に不適格と認めたその他の者と同一に分類することについて、最高裁は何の変則性も見出さない」と述べている。(c)AFP