【2月26日 AFP】仮想通貨「ビットコイン(Bitcoin)」の最大の取引所が取引を中断すると発表したことを受けて関係者の間に混乱が広がり、急成長してきたビットコインに対する信頼が揺らいでいる。

 東京を拠点とする取引所「MtGox(マウントゴックス)」の取引中断と、3億ドル(約310億円)相当のビットコインが失われたかもしれないとされるこの出来事に対しては、暗号通貨ビットコインの欠陥が明らかになったという見方と、一過性の小さな問題に過ぎないという見方の両方が出ている。

 ビットコイン価格指標「Winkdex」によるとビットコインの対米ドル相場は一時100ドル(約1万円)ほど値を下げたが、日本時間26日朝の時点で517ドル(約5万3000円)程度まで回復した。2013年にビットコインは一時1100ドル(約110万円)まで急騰した後に急落していたが、今回の一連の出来事はビットコインの極端な不安定さを浮かび上がらせた。

 以前からビットコインの危険性に警鐘を鳴らしてきた米ボストン大学(Boston University)のリスクマネジメントと金融市場の専門家マーク・ウィリアムズ(Mark Williams)氏は、MtGoxの閉鎖を「ビットコインコミュニティーにとって大きな打撃」と語る。

「この出来事は構造的欠陥を明らかにしている。自主規制が機能していないことを示している。大金がテーブルに載っている場合、そこには不正行為への誘因があり、消費者は100%危うい状態にある」