■新しい法律

 医療目的のマリフアナ使用は、カナダでは1999年に事実上合法化されており、一連の法廷論争を通じてその使用は拡大されてきた。政府統計によると、3万7350人以上のカナダ人に医療用マリフアナの処方箋が発行されている。典型的な使用者像は40代男性で、1日の喫煙量は10グラムだ。

 保健省は当初、極北に位置する廃坑鉱山の坑道でマリフアナ栽培を試みたものの、各方面からの評価は散々だった。その後、3万件近い自家栽培が認められたが、監視不足に各地の自治体から苦情が寄せられ、警察からも犯罪増加の懸念が指摘された。

 今回の新たな規制制度では、こうした小規模栽培はすべて禁止となり、数を限定した大規模な商業栽培に置き換えられる。現在保健省では新たな営業許可に対する450件の申請を検討中だ。

■見込まれる医療需要

 政府は2024年までに医療用マリフアナの使用者が45万人に増えると見込んでいる。

 リフィシ氏のツイード社にもすでに注文が舞い込んでいる。1グラム当たり4~12カナダドル(約370~1100円)で販売する予定だ。最初は、2か月ごとに50~100キロのマリフアナを生産する見込みだが、営業許可では年間1万5000キロの栽培・販売が許されている。

 現在営業許可を取得している6社はすべてカナダ国内の市場を対象としているが、中には輸出の機会に前向きな企業もある。カナダとオランダの合弁企業ベドロカン(Bedrocan)は、カナダに初めて合法的にマリフアナを輸出する企業として名乗りを挙げている。