【2月21日 AFP】スリランカのニバード・カブラール(Nivard Cabraal)中央銀行総裁は19日、国内の寺院などに対し、ハイテク化に対応し、信者らから電子マネーによる寄付も受け入れるよう呼び掛けた。同総裁は、祈とう料を納めるという慣例により、硬貨の流通量が不足していると指摘している。

 カブラール総裁は記者会見で、世界の多くの国の公共交通網で採用されている、プリペイドカードを読み取り機械にタッチして運賃を支払う「タッチアンドゴー」方式のように、仏教徒が多い同国の寺院などでも「タッチしてお祈り」するようなシステムを導入すべきだという考えを示し、「そうすれば仏様も誰がどれだけ納めてくれたか分かるだろう」と語った。

 あわせてカブラール総裁は、貯金箱に眠っている硬貨も取り出して流通させてほしいと訴えた。また同じ狙いから、中央銀行が宗教関連施設を回って寄付された硬貨を紙幣に両替することも計画しているという。

 また、隣国インドのヒンズー教や仏教寺院、キリスト教の教会に働き掛けて、スリランカからの巡礼者らが寄付した合わせて約30トンにも上るとされる硬貨を回収させてもらえるよう交渉中だとしている。スリランカ通貨は、インドでは容易に両替することができず、スクラップ金属として換金でもしない限り価値がない。スリランカは、貯金箱やこれら寺院などで見つかる硬貨を使えば、造幣費用の数百万ドルが浮くはずだと考えている。(c)AFP