■不調を乗り越えたオーストリア

 一方、五輪3連覇を目指していたオーストリアにとって、平凡なシーズンを過ごしていることを考えれば銀メダルはまだ良い結果だった。

 スキージャンプの強豪は最近不調にあえいでおり、ドイツのクリンゲンタール(Klingenthal)で行われたスキージャンプW杯2013-14の開幕戦では、2004年以降で最低の5位に終わり、ポーランドのザコパネ(Zakopane)で行われた団体戦でようやく3位まで返り咲いた。

 オーストリアは、W杯通算最多勝利記録を持ちながらも低迷するグレゴア・シュリーレンツァウアー(Gregor Schlierenzauer)と、2013年12月と今年1月の練習中に激しく転倒し、五輪出場が危ぶまれていたトーマス・モルゲンシュテルン(Thomas Morgenstern)をメンバーに入れた。

 シュリーレンツァウアーとモルゲンシュテルンは、2010年バンクーバー冬季五輪で金メダルを獲得したオーストリアのメンバーだった。

 オーストリアは1月のジャンプ週間(Vierschanzentournee)第2戦で優勝した期待の若手トーマス・ディタルト(Thomas Diethart)と、ミハエル・ヘイボック(Michael Hayboeck)も、それぞれメンバー入りさせている。

 昨季のW杯総合王者シュリーレンツァウアーは、「メダルが取れてうれしいよ。問題がいくつかあり、厳しい状況が続いていた」

「最高の状態ではなかった。難しい戦いだったよ。どのチームも強いけど、メダルはうれしいね。銀メダルは最高さ」

「本当に本当に惜しかった。ベストのジャンプはできなかったけど、4点か5点くらいどうでもいいね」

 チームメートのモルゲンシュテルンは、銀メダルだったにもかかわらず、ツイッター(Twitter)にシュリーレンツァウアーを上回る歓喜の声を投稿している。

「やったぜベイベー!取ったぞー!!」