【2月17日 AFP】スリル満点な競技が目白押しの冬季五輪はテレビ映えのするドラマチックな映像の宝庫だが、ソチ冬季五輪ではさらに、上空から選手の動きを眼下に臨む全く新しい視点の映像が提供されている。スキーとスノーボードのスロープスタイル競技の撮影に、五輪史上初めて、カメラを搭載した小型無人機が導入されているのだ。

 競技会場のロザフトル(Rosa Khutor)では、幅1.3メートル、重さ4キロの無人機をコース脇から操縦士が無線で操作し、ひねり技やジャンプといったシャッターチャンスをカメラマンが画面で確認してカメラに指示を送っている。

 選手の技を見るには遠すぎるスタンド席の観客たちも、会場に設置された大型スクリーン上に映し出される映像でダイナミックな技の数々を楽しめる。

 無人機の最高速度は時速70キロ。高速で雪斜面を滑りジャンプする選手たちの動きを十分に捉えられると、操縦担当のフィリペ・デラフォッセ(Philippe Delafosse)氏は語る。

「最も難しいのは(無人機の)軌道の精度だ。(選手の)安全を確保できる距離でなければならないが、遠すぎても駄目だ」

 6枚の回転翼を備え、おもちゃのヘリコプターに似た姿をした無人機は、 カメラマンが肩に担いだカメラや架線式移動カメラでは撮影不可能なアングルの映像を捉えることができる。同様の映像が撮れるとすればヘリコプターからの撮影だが、コストが高いうえ、ヘリでは回転翼によって気流が発生するため競技の妨げになってしまう。(c)AFP/Benoit FINCK