【2月11日 AFP】国連(UN)は10日、シリアのホムス(Homs)で政府軍の包囲下にある地区に取り残されていた民間人を避難させる措置を、12日夜まで3日間延長すると発表した。

 シリア赤新月社(Syrian Red Crescent)によると、10日には450人が支援を受けて無事避難したという。これで、7日から始まったこの措置による避難者数は合計で約1200人に上った。

 国連のバレリー・エイモス(Valerie Amos)人道問題担当事務次長・緊急援助調整官は、この延長の決定を歓迎し、声名の中で、「さらに多くの民間人を避難させ、待ち望まれている救援物資の追加搬入につなげたい」と期待を示した。ホムスからの民間人避難支援はこれまで3日間にわたって進められ、一定の成果を収めてはいるものの、発砲や攻撃が相次ぎ、困難な作業を強いられている。

 この措置は、国連の仲介でシリア政府と反体制派が数か月に及ぶ交渉を経て結んだ合意の一環で実施された。しかし開始翌日の8日、最初の救援物資を運ぶ車列が攻撃を受け、9日には反体制派が掌握する地区が迫撃砲の標的となり5人が死亡するなど、この人道的停戦の不安定さは早々に浮き彫りになった。

 活動家らが攻撃は政府軍に包囲されている地区周辺の親政権勢力が行ったものだと非難する一方、シリア国営テレビは国連が人道措置を展開する間に「武装したテロ集団」が発砲したと伝えている。(c)AFP