■「シリア革命」を妨げる反体制派内の抗争

 イラクのアルカイダ系組織「イラク・イスラム国(Islamic State of IraqISI)」から発展したISILは、2011年3月に始まったシリア内戦の初期に同国に戦闘員を送り込んだ。その後間もなくアルヌスラ戦線も台頭し、シリア政権に対する攻撃の犯行声明を出し始めた。

 2013年4月には、ISIのアブ・バクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)最高指導者が、自身の組織をアルヌスラ戦線と統合させる意向を表明したが、同戦線側はこれを拒否し、アルカイダのザワヒリ容疑者への直接の忠誠を誓った。ザワヒリ容疑者もこの統合を許さず、イラクに戻るようISILに命じたが、ISILはこれを無視した。

 米シンクタンク、ブルッキングス研究所(Brookings Institution)の中東研究部門ブルッキングス・ドーハ・センター(Brookings Doha Center)のチャールズ・リスター(Charles Lister)客員研究員は、過去の行動パターンを考えるとISILが謝罪したり姿勢を後退させたりすることはないだろうと述べるとともに、反体制派内の抗争が続く限り、シリア内戦で反体制派が全国レベルはおろか地方レベルであっても勝利を収める可能性は極めて低いという見方を示した。(c)AFP/Sara Hussein