【1月30日 AFP】インド政府の大気質気象予測研究システム(SAFAR)は29日、ニューデリー(New Delhi)の大気汚染が中国の北京(Beijing)よりも深刻であることを示した調査結果や報道を否定した。

 SAFARのグフラン・ベイグ(Gufran Beig)氏はAFPに「レポートを読んで驚いた。ニューデリーの大気は冬場は特に汚染状況がひどいが、北京と同程度なんてことは絶対にありえない」と反論した。

 米エール大学(Yale University)が1月に発表した、178か国を対象に算定した環境パフォーマンス指数(Global Environment Performance Index)では、大気汚染物質「PM2.5(微小粒子状物質)」の濃度はニューデリーが最も高く、北京を上回った。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は、2014年第1~3週に大気汚染監視センター1か所で測定された数値を分析したところ、PM2.5の最大濃度の平均値が1立方メートル当たり473マイクログラムと、北京の2倍に上ったと報じた。

 これに対しベイグ氏は、ニューデリーの大気監視局9か所で測定したPM2.5の24時間平均の方がより正確な数値だと主張。この方法で算定すると250未満だが、世界保健機関(World Health OrganisationWHO)の指針値の10倍だ。

 北京は1月16~18日に分厚いスモッグに覆われ、PM2.5の濃度がWHOの指針値の25倍以上となる650に達した。

 世界銀行(World Bank)が13年に発表した、132か国を対象とした調査結果によると、インドは環境パフォーマンスで126位、大気汚染では最下位だった。(c)AFP/Abhaya SRIVASTAVA