【1月25日 AFP】親ロシア政権に反対する抗議デモで死者が出たウクライナで、ビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)大統領は24日、内閣改造と反デモ法を修正するという妥協案を示した。

 流血の事態となった反政権派との5日間の衝突を受けて同大統領は野党との対話は続けると述べた一方、解決策が得られない場合は「あらゆる合法的な手段」を使用すると警告している。

 首都キエフ(Kiev)中心部を占拠しているデモ隊と警官隊との衝突は一時的に止まっているものの、デモ隊は後に引く姿勢はみじんも見せておらず、大統領府に近い場所でバリケードを拡大している。

■反政権派が地方行政府を占拠

 反政権・親欧州連合(EU)派がウクライナ西部の6州で地方行政府の庁舎を占拠したことは、ヤヌコビッチ大統領にとって大きな打撃となっている。

 23日に反政権派がポーランドと国境を接する主要地域リビウ(Lviv )州の行政府庁舎に突入したのを皮切りに、24日にはイバーノ・フランキーウシク(Ivano-Frankivsk)州の行政府ビルに大勢のデモ隊がなだれ込み警官隊と衝突。警官隊は催涙ガスを使用したが、デモ隊はビルの2フロアを占拠した。

 さらに反政権派は同国西部のテルノピリ(Ternopil)、リブネ(Rivne)、フメリヌィーツィクィイ(Khmelnytsky)、チェルニウツィー(Chernivtsi)の各州でも地方行政府の庁舎を占拠した。 (c)AFP/Stuart WILLIAMS, Oleksandr SAVOCHENKO