【1月23日 AFP】中国国内で21日に発生したインターネット通信の大規模な障害について、検閲回避技術に特化した米企業「ダイナミック・インターネット・テクノロジー(Dynamic Internet TechnologyDIT)」は23日、ウェブサイトの「アドレス乗っ取りツール」を中国当局が使用したことが原因だったと発表した。

 DITは、中国当局によるネット検閲を回避するためのソフトウエア「フリーゲート(FreeGate)」を運用している。同社によると、21日に発生した大規模なネット障害は、中国当局がウェブサイトを遮断するために2002年から使用している「DNS乗っ取り技術」が原因だったという。

 DNSとは、ネット上にあるウェブサイトの場所をコンピューターに知らせるためのアドレス取得システム。DNSの乗っ取りは、コンピューター間の通信を傍受する人(例えば検閲官)が、インターネットユーザーを、禁止サイトから別のアドレスへと誘導する際に発生する。

 21日のネット障害では、ユーザーはDIT社が運用するあるIPアドレスに誘導された。同社によるとこのサイトは、米ワイオミング(Wyoming)州にあるペーパーカンパニーのものとして登録されていたという。オンライン監視団体「GreatFire.org」によると、このIPアドレス「65.49.2.178」は、中国で非合法化されている気功集団「法輪功(Falun Gong)」のメンバーが運営するニュースポータル「dongtaiwang.com」に関係があるものだった。

 DITの発表に先立ち、「GreatFire.org」も、ネット障害の原因は中国当局の検閲と発表していた。(c)AFP