【1月22日 AFP】反政府デモの収拾を図ろうと、タイ政府が前日に首都バンコク(Bangkok)とその周辺地域に非常事態宣言を発令すると発表したタイで22日、政府を支持する「赤シャツ隊」の指導者が同国北東部で銃撃され負傷した。警察が発表した。

 警察によると、銃撃されたのは2010年に首都で行われた赤シャツ隊によるデモの主導者の一人で、地元ラジオ局パーソナリティーのクワンチャイ・プライパナ(Kwanchai Praipana)氏。何者かに肩と膝を撃たれたという。ウドンタニ(Udon Thani)県の警察当局者はAFPの電話取材に対し、同氏の命に別条はないとしながらも、「銃撃には政治的動機があるとみられる」と語った。

 赤シャツ隊は、インラック・シナワット(Yingluck Shinawatra)首相の兄で、06年に軍の無血クーデターにより政権の座を追われ、現在は国外に逃亡しているタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相を支持する組織。現在の反政府デモに対してはおおむね傍観する立場を示しているが、指導者らは、自分たちが選出した政府が再び転覆されるようなことがあれば、赤シャツ隊支持者らも行動を起こす用意があると警告している。

 一方、反政府デモ隊は、非常事態宣言が22日から適用されたがこれを無視しており、緊張はいっそう高まっている。(c)AFP/Daniel ROOK, Anusak KONGLANG