【1月10日 AFP】家事使用人の米国入国査証(ビザ)に絡む不正容疑で、昨年12月に米国で逮捕されたインド人女性外交官が、外交官免責特権を認められ9日、出国した。

 ニューヨーク(New York)にあるインド総領事館のデブヤニ・コブラガーデ(Devyani Khobragade)副総領事について米連邦大陪審は、ビザの不正取得や虚偽申告の罪で起訴していた。しかし、ニューヨーク南部地区の連邦地検によれば、コブラガーデ副総領事は外交官として免責特権を認められ、米国を出国した。

 インド当局は先立って、コブラガーデ副総領事を外交特権のより高い国連(UN)に配置転換する方針を発表していた。

 起訴状によると、コブラガーデ副総領事は、インドの賃金水準を満たしているものの米国では法定最低賃金を大幅に下回る月給3万ルピー(約5万円)で家事使用人を雇用していた。さらにこの使用人の短期就労ビザ申請書類には、月額4500ドル(約47万円)で雇用すると虚偽の記載をしていた。

 この事件では、前月12日に米国でコブラガーデ副総領事が逮捕され、特に身体検査で裸にされたことが明らかになり、インドで強い反発を巻き起こした。両国の関係はそれまで良好だったが、事件をきっかけに急速に冷え込んでいる。(c)AFP